先日ネットで見つけた記事。皮革(レザー)業界の方の記事。
要約すると、レザーにおけるサステイナブルな見解が述べられていた。

素晴らしい。命あるものを大事に、無駄なく活用することが書かれていた。TwitterとかSNSでもばずったらしい。

でもね、1点だけひっかっかる文言がありまして。『ファーとは違う...』。

登場した方がどのような意味合い、文脈で言われたのか分かりませんし、これをまとめたライターの方がどう捉えて、表現されたかもわからないので何とも言えなんですが、ファーとは違うっていうのは違うかなあ。厳密にいえば違うんだろうけどね。

と言っても、基本内容はいい事書いてるし、この記事を重箱のスミをつつくように、あれこれツッコむより、改めて毛皮業界におけるサステイナブルの環境を書いた方がいい。前向きに考えよう。

(養殖)
そもそも毛皮は、太古の昔、動物の毛皮を防寒着として使用したのが始まり。そしてファッションへと広がっていきました。そして現在は毛皮用の動物を養殖して、毛皮を作っている。まずその養殖用の食事は食品業界の廃棄物を有効活用してます。そして無駄に廃棄を防いでいるだけではなくて、大学や研究所での研究の上、栄養もきっちり考えられています。

(原皮)
養殖された動物は、殺められたのち、皮をはぎます。えぐい表現ですが、これは紛れもない事実なので仕方ない。残ったお肉は別の動物の飼育資料に活用されたり、骨は砕いて、これまた飼育資料に使われます。毛皮に使われる動物でミンクっていうのがいるんですが、抽出(もちろん死後)されたオイルは昔から燃料とかに使われおり、現在ではバイオディーゼルの燃料にも使われています。

(製品)
皮革品が食料用のお肉の副産物として有効活用されてきた歴史があるなら、毛皮は毛皮の副産物としてお肉が有効活用されているので、違うと言えば違うんですけど、そこはもう卵が先か?ニワトリが先か?みたいなもので。

しっかり生活・文化・産業に組み込まれ、浸透して言っている現在はあまり違いはないかなと、毛皮屋としては思っております。大事なのは、いただいた動物の命は大事に大切に使い切る、まさにサステイナブルな精神なわけでして。そしてこのサステイナブルはもともと我々毛皮業界としては当たり前すぎて、いい意味で深く考えていないのかなと思っています。

いろんなブランドがファーフリーを宣言してるので、業界にとってよろしくない状況には変わりなんですが、まずは前向きに。